無病息災を願う秋の風物詩 淡嶋神社の甘酒祭
酒造りの神である少彦名命(すくなひこなのみこと)を祭る和歌山市加太の淡嶋神社で3日、秋の大祭「甘酒祭」が行われた。
江戸時代中期から続く祭りで、新米のこうじで造った甘酒を神殿に供え、五穀豊穣、無病息災を願い、祝詞を奏上。巫女(みこ)が境内で炊いた甘酒に、祈祷(きとう)を済ませたこうじを加え、参拝者に振る舞った。大鍋で炊かれた甘酒は約80㍑。境内は甘酒から漂うショウガの香りに包まれた。
前田智子宮司(56)は「雨が降ってどうなるかと心配したが、やんで良かった。冬を無事に過ごせるよう願いを込めた甘酒を、境内でゆっくり楽しんでほしい」と話した。
御坊市の女性(62)は「3年前にここで飲んだ甘酒のおいしさが忘れられず来た。人生これからなので、健康を願いたい」と話し、一口飲んで「ショウガがたっぷり効いておいしい」とにっこり。大阪市から観光に訪れたという男性(57)は「友ヶ島に行くつもりだったが雨で欠航になってしまい、せっかくだからと甘酒を飲みに来た。予定通りにいかなくてもいいことがある」と笑顔だった。