県の防災対策検証中間報告 92件洗い出し

防災・減災対策の検証の中間報告を発表する岸本知事
防災・減災対策の検証の中間報告を発表する岸本知事

和歌山県は8日、能登半島地震を踏まえて行っている防災・減災対策の検証の中間報告を発表した。道路寸断による物資輸送の対策、住宅の耐震化、避難所環境の改善、観光客の避難支援など92件の取り組みが必要とし、短期的、中長期的な課題に分けてさらに取り組みの在り方などを検討し、来年2月に最終公表を予定している。

92件のうち47件は2025年度までに着手する短期的なもの、44件を5年以内の取り組みを目指す中長期的なものと位置づけ、1件は国への要望を行うものとしている。

能登と和歌山に共通する半島地域としての課題では、能登では道路の寸断で孤立した24集落への物資輸送が困難になったことから、県民への1週間程度の備蓄の呼びかけ、ドローンによる輸送の実証支援を進めるとしている他、道路啓開計画の改定、海路や空路を使った輸送の実証訓練、代替ルートの検討などを取り組みに挙げている。

能登では、大量の支援物資に県職員だけでは対応しきれなかったことから、民間の物流事業者からの専門知識や人員の提供を受けるための協定を検討する他、他地域からの応援職員やボランティアの宿泊場所や食料などの調達に向け、民間との連携を進めるなどとしている。

岸本周平知事は同日の定例記者会見で「能登と和歌山は半島という特殊性は全く同じ。孤立集落をどうするか、道路が寸断された時にどうするかなど、能登での教訓を生かしていきたい」と述べた。新たな民間との連携を進めるとともに、すでに連携してきた民間団体でも、コロナ禍で訓練の機会が減っているため、今回の検証を、改めて訓練、連携を進める機会ともしていく考えを示した。