元気な子産んで 有功東小児童が親アユ放流
紀の川の自然や環境を学ぼうと、和歌山市の有功東小学校の4年生25人は14日、岩出市船戸の岩出橋下の河原から産卵シーズンを迎えている親アユを放流した。
紀ノ川漁業協同組合では、毎年11月の産卵シーズンに親アユを放流している。
4年光組では、総合学習の授業として4月から紀の川について勉強し、上流、中流、下流を訪ね、観察や生き物などについて学んできた。今回は同漁協と紀の川清流の会が協力。紀の川のアユについてメンバーが教えた。
川で生まれ、海を経て再び川に戻り、1年で寿命を迎えるアユの一生、香魚とも呼ばれスイカの香りがすることや、尾ビレが尖っているのが雌であることなど豆知識をクイズ形式で楽しく伝えた。
その後、児童らは体長20㌢ほどのアユをつかみ「ホンマにスイカのにおいがする」「かわいい」などと言いながら約500匹を川に放流し、「元気でね」と泳いでいく様子を見守った。
川村晴生さん(10)は「生きているアユを触ったのは初めて。卵をいっぱい産んでその子どもがここに帰って来るのが楽しみ」と笑顔。
同組合の川口恭弘代表理事組合長は「15~16度の水温が産卵に適しているがことしは暑く、遅れている」と話し、来月末にかけて産卵する見通しだという。
その後、児童らは桃山町のアユを養殖する同組合施設に移動。シラスぐらいの小さなアユを10㌢サイズにまで成長させる工程を興味深そうに見学し、炭火で焼いたアユを試食した。丸谷健太さん(9)は「普通なら骨が硬いけど、柔らかくて食べやすい」とおいしそうにかぶりつき、魚が苦手で、給食では残しているという宮西洸大郎さん(10)は「魚はにおいが嫌いだったけど、きょうのアユは全然臭くなくておいしかった」と1匹を完食していた。