竜王戦でにぎわい 大盤解説や勝負めしマルシェ

大盤解説を行う冨田五段㊨と村田女流三段
大盤解説を行う冨田五段㊨と村田女流三段

将棋界最高峰のタイトルを争う第37期「竜王戦」(日本将棋連盟など主催)七番勝負の第5局は2日目の28日午前9時、和歌山市の和歌山城ホール和室で対局を再開した。同大ホールでは大盤解説会、隣接の城前広場では対局者に提供する「勝負めし」のメニューブック掲載店によるマルシェが開かれ、緊迫する勝負の行方を見守りながら、将棋ファンらで周辺は大にぎわいとなった。

2日目は、初日とは逆に藤井聡太竜王(22)=名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖=が先に対局室に入って着座し、挑戦者の佐々木勇気八段(30)が後から入場。佐々木八段の封じ手「後手3八歩」が開封され、後半の戦いが始まった。

対局室の下階の大ホールでは午前11時から、冨田誠也五段と村田智穂女流三段による大盤解説会がスタート。盤面の戦況や予想される展開を語る2人の掛け合いに、来場者はうなずきながら聞き入った。2人の会場への呼びかけの中で、来場者には第1局から全ての対局地を訪れている熱心なファンが人がいることも分かった。

来場者で、小学校5年生から将棋をしているという市内の大学院生、上宗馬さん(28)は「地元でタイトル戦が開催されるのは生涯に一度あるかどうかで本当にうれしい。和歌山の将棋熱も上がると思う」と喜び、2日目開始時の盤面については「佐々木さんがいろんな戦法を試し、面白い対局を見せてくれている。藤井さんも攻めが難しく、長い将棋になりそう」と話した。

和歌山城ホールの隣、城前広場で開かれたマルシェには、「勝負めし」メニューブック掲載の28店のうち14店が出店。ブースには「藤井竜王が食べた」などの表示もあり、対局初日の昼食、おやつで藤井竜王、佐々木八段の2人が選んだ品も並び、昼休みには各ブースに長い列ができ、売り切れる商品も続出した。

和歌山城公園で開催中のイルミネーションイベント「和歌山城~光の回廊~」は同日まで、竜王戦を記念する特別バージョンプログラムとなり、天守閣の夜間無料開放も行われ、和歌山城周辺は竜王戦効果に沸いた。

にぎわう「勝負めし」のマルシェ
にぎわう「勝負めし」のマルシェ