土木業の楽しさ知って 和工生らICT建機体験
土木や建設現場で作業効率を上げるICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)を体験し、業界に興味を持ってもらおうと、和歌山市川辺の㈱アクティオ和歌山営業所で5日、体験会が開かれた。和歌山工業高校(同市西浜)と和歌山工業高等専門学校(御坊市名田町)の生徒約80人が参加し、ICT搭載の最新機械を体験した。
国交省近畿地方整備局和歌山河川国道事務所が主催し、建機リース業のアクティオの他、土木・建設業の計5社と県建設業協会が協力。土木・建設業の担い手の増加に向けて取り組みたいと、若者に効率的で安全な最新技術をアピールし、将来の選択肢として考えてもらおうと実施した。
午前9時から、和歌山工業高校土木科の1年生32人が参加。アクティオ西日本支社の鈴木純也支社長らがあいさつし、和歌山河川国道事務所の小林侑所長が「効率性の高い最新技術を体感し、楽しんで吸収してください」と激励した。
生徒らはセンサー付きの約20㌧のパワーショベルにスタッフと同乗。自動制御により、1本のレバーとボタンだけの簡潔な操作で、正確にアームを動かした。
新たな試行として2025年春に開通予定の「冷水拡幅・有田海南道路」のメタバース体験があった。スタッフから説明を受けた生徒らは、コントローラーを自在に操作し、「車乗りたいけど、どこ?」「探したらいっぱいある」「これ、亀川」などと話しながら、コンピューターで製図ができるCADで正確に設計された同道路や道の駅「海南サクアス」などを体感した。
パワーショベルに乗った且来瞳衣(めい)さん(16)は父親が建設に関わる仕事に従事しているといい「思ったより操作が簡単だった。重機の重みが手に伝わってきて感動した。道路など、みんなが使うものを造るのはすごいことで、その仕事をする親も尊敬するし、将来その道に進みたい」、メタバース体験をした丸山ネオさん(16)は「とてもリアル。ゲームをしているようで楽しかった。最新技術搭載で、スキルを吸収できる機会になった」と話した。
同科長の堀新成教諭(47)は「生徒の楽しそうな表情が見られた。学校にはない最先端の機械に触れることができる機会。デジタルは生徒にとってなじみやすく、土木の世界の面白さをもっと知ってもらえたら」と話した。