骨付きの魚を食べよう 県が芦原小で出前授業

上手に骨から身を取る児童
上手に骨から身を取る児童

魚食普及と地産地消への理解を促そうと、和歌山県は6日、和歌山市雄松町の芦原小学校(杉琴左紀子校長)で出前授業を開催。5年生5人が魚の上手な食べ方や県内の漁業を学び、給食に紀伊水道で漁獲されたアジを味わった。

骨や尾頭付きの魚の食べ方を伝えることで、子どもの郷土愛や感謝の心を育むため、2014年から始まった。ことしは市内16校を含む県内30の小学校で実施する。

水産振興課企画流通班の的場颯太技師(24)が講師を務め、クイズ形式で魚の種類や県内で取れる魚、漁師の数、漁獲量を紹介。県のイセエビ漁獲量が全国第3位という話題では「刺し網やなぁ」と漁法の知識を披露する児童もおり、「一番食べにくい魚は?」「地球温暖化の影響はありますか?」などの質問もあった。

魚の上手な食べ方の紹介では、「背骨から垂直に伸びるとがった小骨『肉間骨』に注意する」と的場さんがアドバイスした。

給食には、御坊市で水揚げされた長さ25㌢の丸アジを、そのまま揚げて、ショウガやネギ入りの甘酸っぱいタレを絡めた香味揚げが登場。児童らは背骨に沿って箸を入れるも、皮や身の硬さに苦戦。「おいしい」「硬い」と言いながら、全員完食した。

與儀芭奈(はな)さん(10)は「ザ・魚って感じ。食べやすいしおいしい」、中井來杜(らいと)さん(11)は「県で取れる魚とか、骨の場所とか詳しく分かった。食べ方を一回教えてもらったら、食べやすい」とパクパク頬張った。

的場さんは「児童は魚や自然のことにとても興味があり、よく知っている印象。外食チェーンでは、マグロやサーモンなど食べやすい魚が多いが、地物は骨付きで丸のままが多い。学んで家でもたくさん食べてもらい、魚食普及につなげたい」と話した。