郷土愛詰めて 有功東小でシュークリーム開発
和歌山市の農産物を使ってオリジナルのシュークリームを作ろうと、同市六十谷の有功東小学校(小林和歌校長)の3年風組が取り組んでいる。6種類のレシピを考案し、このほど同校で関係先の農家や地元企業、店舗の代表らを招いて試作品の発表会を開いた。
地元の食材や調理方法を学び、和歌山の魅力が詰まった地産地消の「わかやまシュークリーム」を作って学校や地域の人に食べてもらおうと、総合学習の授業で2学期から取り組みを始めた。
児童たちは市産の食材をリサーチ。栄谷でミカンを栽培する森農園、奥須佐でミカン、柿、レモンを栽培する山本農園、中之島で米や小麦などを自然農法で育てる久保農園などを訪れ、味や特徴を調査。また、同市のお菓子工房パティスリーアン、春栄堂、サブールでシュークリームを作るプロの技を見学した。
その後、6チームに分かれ、使う食材を選定。レシピを考え試作し、授業参観などで親や別のクラスに試食してもらい、改良した。
完成したのは紀州金時を使った「サツマイモシュー」、柿の濃厚な味がする「スペシャル柿ジャムシュークリーム」、レモンの酸味と抹茶の苦味を生かしたさっぱり味の「抹茶レモンシュー」、ミカンとバタークリームを合わせた「シューミカン」など個性あふれるスイーツ。
発表会には久保農園の久保智和さん、森農園の森美彰さん、紀泉農場の北村進さん、㈱ファミリーマート和歌山北営業所の東條尚之営業所長が出席した。
児童らそれぞれが、開発のポイントや伝えたい思いをプレゼンした後、試食タイムに。味の感想や改良した方が良いところなどを参加者に聞いた。
森さんはミカンを使ったシュークリームを食べ「苦味もあり、しっかりミカンの味がする」と笑顔。久保さんは「食材のおいしさをもっと生かすには、砂糖を減らすなど工夫するともっとずば抜ける」、ファミリーマートの東條さんは「和歌山には素晴らしい食材がたくさんあるんだと勉強になった」と感想を伝えた。
担任の山岡大祐教諭は「地元で採れる食材を知ることで郷土愛が深まり、実際作ってみるとすごく難しくて、プロの仕事の大変さや苦労を知る良い体験になった」と話した。
今回聞いた意見を基に改良を加え、2月にイチゴを使ったシュークリームを作り、地域や学校で振る舞う予定という。