家庭で作れる「レモン酒」
前号では、麦との相性が抜群で、酸味と香りが融合した「レモンビール」の味わいと家庭での作り方を取り上げた。レモンを使ったアルコール飲料として代表的であるのが「レモン酒」や「レモンスカッシュ」。果実酒として扱われ、梅酒と同じ方法で、家庭でも容易に作ることができる。今週は国産の果実を使ったレモン酒の作り方を紹介したい。
レモンを使った飲料として親しみ深いのが、レモンウォーター。飲食店などでスライスされたレモンを大きな瓶に浮かべ、ほのかなレモンの風味が味わえるもの。レモン酒の作り方はその想像を覆すものである。
レモン酒は梅酒の作り方と同様であるが、事前の下ごしらえに工夫が必要。まず、レモンの上下をカットした上で、果肉に達するまでナイフを入れ、果肉の外側に沿って外皮を落としていく。すると、まるで皮をむいたミカンのような、果肉だけのレモンが現れる。
続いてレモンの果肉2個(約100㌘)につき、氷砂糖100㌘とホワイトリカー200㍉㍑を用意。果肉だけになったレモンを3等分したものとレモンの皮(白い部分は苦みが出るので切り取る方が良い)を、保存瓶の中に氷砂糖と交互に入れ、最後にホワイトリカーを注ぐ。
冷暗所に置き、皮を1週間程度、果肉を数カ月程度で引き上げる。長く置いた方が完熟し味わいは増すが、1カ月を過ぎれば飲み始められる。
特筆すべきは、レモン酒は国産の果実ならでは。外国産のレモンは輸送中の腐敗を防ぐため、人体に影響が無い範囲の防腐剤が散布されていることが多い。産地だから手に入る新鮮な果実を使ったアルコール飲料。来年のレモンのシーズンに向け、皆さんも仕込んでみては。(次田尚弘/和歌山市)