垣根越えつながる 難病患者・障害者の集い発足
![発足会に参加した皆さん](https://wakayamashimpo.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/25020603.jpg)
困難を抱えながらも希望を持って生きる大切さを分かち合う場をつくろうと、和歌山県内の難病患者や障害者の団体が垣根を越え、「難病患者・障害者の集い~わたしたちは人りじゃない!」を発足させた。1月31日、県庁で発足会が開かれ、各団体の代表や行政関係者、県議ら約30人が出席し、意見交換や交流を積極的に進めていくことなどを確認し合った。
集いの発足を呼びかけたのは、全身の筋肉が徐々に動かなくなる指定難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者、和歌山市の北畑達哉さん(65)。
北畑さんは2023年8月にALSと診断され、「普通に過ごせるのは2~3年」と医師から宣告された。患者や家族が希望を見つけられる活動がしたいと、24年3月にフランスのALS患者の日常を追ったドキュメンタリー映画「不屈の夏」の上映会を同市で開催。さらに、ALSだけでなく、さまざまな病気や障害と向き合いながら生活している人たちがつながる場をつくろうと、同年6月と9月に県内の難病患者や障害者の団体、家族会の役員、県・市職員らと意見交換会を重ね、集いの発足につながった。
発足会では、集いの世話人を務める北畑さん、企画・相談役を務める森礼子県議らがあいさつし、出席者一人ひとりが今後の取り組みへの期待や意気込みなどを話した。
北畑さんは「障害者 難病者とも手をつなぎ 一緒につかもう 希望の星を」との自作の短歌を披露。ALSの告知を受けた時は自死も考えたことを振り返り、「自分はすぐに死ぬ状況じゃない。頑張って生きていかないといけないと思い直した。『それでも前へ』という気持ちで進んでいきたい」と話し、「ざっくばらんに話せる集いにしたい」と呼びかけた。
出席者からは、「患者・障害者団体を補完するような存在になれば」、「立場が違う人が集まり、新しいコミュニティーができてくるのではと楽しみにしている」、「経験を共有し、乗り越えようと前向きな力をもらえる会になってほしい」などの意見が出た。
集いでは今後、患者や障害者の気軽な交流の機会づくり、各団体の活動の啓発や支援などを進めたいとしている。