「新翔くろしお」に決定 初の県立夜間中学の校名

県立夜間中学の校名候補を発表する岸本知事
県立夜間中学の校名候補を発表する岸本知事

和歌山県は18日、2026年4月に新宮市の県立新翔高校施設内に開校する初の県立夜間中学の校名候補が「新翔くろしお中学校」に決まったと発表した。2月定例県議会での議決を経て正式決定する。

夜間中学は、義務教育を修了しないまま学齢期を経過した人、不登校などさまざまな事情で十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した人、義務教育に相当する教育を修了していない外国籍の人などが学ぶことができる学校のこと。

校名は昨年11~12月に公募し、212件、186種類の応募の中から、県教育委員会定例会での審議で候補を決定。

現在の新翔高校は再編整備により26年度には新宮高校新翔校舎となることから、地元に親しみのある「新翔」の名前を入れてほしいとの意見が多かったことや、学校所在地となる新宮市は太平洋に面し、沖合を流れる「くろしお」には豊かに生命を育み、あたたかく力強いイメージがあり、県民になじみがあるなどの声が多かったことから選定した。

新翔くろしお中学校は1学年1学級、各10人程度の学級編成を予定。4月入学が基本だが、生徒の実情に応じて学期途中からの入学も可能とし、学力などにより2、3年次への編入学の場合もあるとしている。

県内の公立夜間中学は、4月に開校する和歌山市立和歌山あけぼの中学校が第一号となり、新翔くろしお中学校が2校目、県立では最初となる。両校の設置により、紀北、紀南の両地域に新たな学びの拠点ができる。

岸本周平知事は18日の定例記者会見で、「大変良い校名をいただいた。この名前を大事にしていきたい」と感謝。感謝状を贈りたかったが、匿名での応募のためかなわなかったことも明かした。