斬新なデザインに挑戦 淺川組がフィリピン館施工

大阪・関西万博に出展するフィリピン館を、和歌山県内建設業最大手の㈱淺川組(和歌山市小松原通、西口伸社長)と、総合レンタル業の西尾レントオール㈱(本社=大阪府大阪市)による特定建設工事共同企業体が施工した。同館は、環境に負担が少ない木質素材の「CLT材」を使った木造であることから、同社は「弊社には県の紀州材を使った施工で培った技術があり、それを生かして地元関西での大イベントに貢献できるのは大変名誉。全社一丸となって盛り上げたい」と話している。
同館のテーマはWOVEN(ウーブン=織りなす)。「自然、文化、共同体―よりよい未来をともに織りなす」というモットーで、フィリピンの伝統工芸品である織り物を通じて、多様性の中でのつながりなどを表現しようと、建物の外観は籐(とう)を規則正しく編み込んだ「籐細工」をイメージしたデザインが取り入れられている。
建設は昨年4月末に着工。淺川組の担当者は、「工事担当の話を頂いた時点では詳細な設計図がまだなかったが、その後すぐに現地調査をしたことで実感と施工計画のイメージが湧いた。同時に、開幕までに完成させなければという強い責任感も生まれた」と話す。
建設中、会場では同時に100以上の施工会社が工事を進行しており、円滑化のため、多くの施工や入場のルールを順守して作業を進めるのに苦労したという。
ファサード(外装部分)にはフィリピン各地の200点以上の手織物をパネルで展示し、期間中、館内では伝統舞踊のライブパフォーマンスや体験型の催しもある。
淺川組の担当者は「外装は、仮設工事用足場をファサードの構造体とした斬新なデザイン。工期内に完成させるため関係者全員で取り組みました。ぜひフィリピン館にお越しいただけたら」と話している。