2年連続の降雹被害48億円 梅に大打撃
和歌山県は4月30日、6~15日の降雹(ひょう)や突風により、梅を中心とする県内農業への被害が48億1186万5000円に確定したと発表した。2000年以降の降雹による梅の被害として最大規模で、昨年3月にも約22億円の被害があり、2年連続の打撃。県は被害を受けた農業者への支援策として、無利子の特別融資などを行う。
梅の果実の傷や落下の被害が最も大きく、主要産地の田辺市、みなべ町と、御坊市、印南、日高川、白浜、上富田、すさみ、串本各町の計9市町で合わせて4300㌶、47億7832万9000円の被害となった。
他に、みなべ町と日高川町で実エンドウが傷つく被害が12㌶、1143万3000円。田辺市でスモモが傷つく被害が23㌶、1473万8000円。有田、御坊、田辺各市と有田川、みなべ各町の計5市町で農業用ハウスの破損被害が29件、736万5000円確認された。
特別融資は、経営維持に要する経費を上限400万円で貸し付け、利子は県と市町村、JAで補給することで、農業者の利子負担はなし。償還期限は7年(元本の据え置き期間3年)。各JAで5月12日から9月30日まで受け付ける。
また、国の支援策として、被害面積の割合や国内需給に与える影響が大きいと判断した場合には、自然災害被害果実加工利用促進等対策事業が実施され、農協などに対し、被害果実の加工利用に関する掛かり増し経費などを対象に、2分の1以内で補助が受けられる。日本政策金融公庫による農林漁業セーフティネット資金の融資もある。
県は、追加の支援策についても検討している。