「中之島つどい館」完成 旧保育所が交流拠点に

和歌山市の旧市立中之島保育所が、住民主体で運営する地域交流拠点施設「中之島つどい館」に生まれ変わった。中之島地区連合自治会(白井公雄会長)が住民主体の活用を市に要望し、閉所から5年を経て実現。地区内にある宝塚医療大学和歌山保健医療学部の活動室、介護や訪問介護の事業者も入り、住民の健康支援の拠点としても期待されている。オープニングセレモニーが6日に行われ、多くの住民らでにぎわった。
旧中之島保育所は1977年建築の鉄筋コンクリート造り2階建て、敷地面積623・02平方㍍、述べ床面積581・81平方㍍の施設で、北大通りに面し、中之島連絡所や中之島公園と隣接する。
2020年3月末の閉所後、活用を要望した連合自治会、連合自治会と同大学による施設運営協議会、市の3者が23年11月に基本協定を締結。市は施設を無償貸与し、連合自治会は国と市の補助を受け、幼児用トイレの改修など、約3000万円をかけて施設を整備。市が指定する都市再生推進法人である一般社団法人みんとしょが委託を受けて管理する。
市内の旧保育所が住民主体で整備、活用されるのは、旧四箇郷保育所に続いて2カ所目となった。
整備された中之島つどい館は、1階に常時開放の地域交流スペースを設け、2階の同大学活動室では、地域住民対象の健康相談や体力測定などを行い、地域と学生が交流するスペースとする。テナントとして、介護給食や子ども食堂などを行う「わかやま健美食LABO」、地域密着型介護・児童デイサービスなどを行う㈱ともにあゆむ、訪問介護や健康支援を行う㈱emeが入居し、住民の健康をサポートする機能が充実している。

オープニングセレモニーで白井会長は「中之島を元気にしたいということをずっと考えてきた。高齢者にとっては、体力や気力を分かち合って元気になるための交流施設となり、子どもたちには、中之島に住んで良かったと思ってもらえる場所になってほしい」、同大学の岸野雅方理事長は「地元で育った学生が地元で活躍することで、地域活性化につながることが大学の大きな使命と思っている。連携の拠点の完成は喜びにたえない」とあいさつ。来賓の尾花正啓市長は「多くの方が集いやすい施設になった。地域に愛されることを期待している」と完成を祝福した。
セレモニー終了後、2階バルコニーから園庭に向かってお菓子まきが行われ、集まった地域の子どもたちが歓声を上げながら拾い集めた。
訪れた住民らは施設内を見学し、地域の新たな交流拠点の誕生を喜んでいた。