もぎ取る確かな甘み 「高津の桃」収穫最盛期

桃を収穫する北原さん
桃を収穫する北原さん

和歌山を代表する果物の桃が旬を迎え、各農園は出荷に励んでいる。

海南市高津地域の「高津の桃」生産者で、JAながみね桃部会の北原欣治副部会長(72)の農園では、日川白鳳の収穫が最盛期。北原さんは「ことしは小さいながらも色、形がきれい。糖度にこだわった甘みのある桃が味わえます」と話している。

高津の桃は、生産者が少なく多くは出回らない希少な桃。北原さんの農園は、広さ約7500平方㍍の丘陵地で、約300本の桃の木がある。

水はけが良く、養分の多い赤土で白鳳と日川白鳳、八幡白鳳、清水白桃、川中島白桃の5種類を育てている。

ことしは花の満開が例年より遅く、その後、高温が続き、梅雨明けが早過ぎて降水量が少なかったことにより、小さめの仕上がりになったが、カメムシの被害がなく、きれいな桃が育った。

さらに、高温対策に除草剤の使用をやめ、雑草をあえて残して反射熱の上昇を抑えたことで、日川白鳳の糖度は14度以上となった。

きれいな桃色をした日川白鳳は果肉が滑らかで甘みが強く、ジューシーな味わいが楽しめる。北原さんは「おいしく食べてもらうため、除草剤を使わず一生懸命頑張っています。ぜひ味わってください」と話している。

7月下旬には、シャキシャキした食感が魅力の北原さんの主力桃、川中島白桃が収穫のピークを迎える。また、北原さんは現在、高温障害に強い新品種「さくひめ」の栽培にも挑戦している。北原さんは「海南市高津の桃をぜひ食べてみてください」と笑顔で話している。高津の桃は同地域の直売所などで購入できる。