米の長期保存を実証へ 東洋ライスと泉大津市

保管庫の前で南出市長(左から2人目)と雜賀社長(同3人目)(写真は東洋ライス提供)
保管庫の前で南出市長(左から2人目)と雜賀社長(同3人目)(写真は東洋ライス提供)

米に関する総合メーカー、東洋ライス㈱(本社=和歌山市黒田、雜賀慶二社長)は、米を適切な環境で長期保存し、味や価値の向上を目指す「熟成米プロジェクト」の実証実験を、大阪府泉大津市と連携して開始した。

米の需給や価格の不安定化が全国的に課題となる中、「時間が経つと米の品質は低下する」という従来の古米に対する考え方を問い直す取り組みで、計画的な長期保存により、米不足や価格高騰に対応する新たな流通・備蓄の在り方の構築が期待される。

同社と同市は2022年12月に包括連携協定を結び、市の小中学校給食に、同社独自の精米技術により栄養成分を残した無洗米「金芽米」を提供。市から妊婦へのプレゼントなどにも協力している。

今回の実証実験は同社が保有する米の熟成保管技術を活用するもので、「金芽米」を保管庫に5年かけて保存し、毎年7月に食味や品質の変化の検証と試食を継続的に実施。立会人の下で、一般的な低音保管庫に入れられた米、その年の新米との3種類を比較する。

2月27日、同市下条町の防災倉庫「OZU―BO(おづぼう)」にある保管庫に計1・5㌧の金芽米が運び込まれた。うち1㌧は初回の27年の試食会以降、結果を踏まえて学校給食に提供することにしている。

「熟成米」を備蓄米として活用することや、ふるさと納税返礼品として展開する可能性なども検討していく。

南出賢一市長は「米の長期保管が可能になれば、日本の食と農の課題を構造から変えていく可能性がある」と期待を寄せており、雜賀社長は「この技術により、生産者は安心して米を作り、消費者は安定した価格でおいしい米を買える。主食の米を次の世代に安定的につないでいく社会を実現したい」と話している。