集大成の世界舞台へ 陸上・80歳の長谷さん

県優秀選手賞のトロフィーを手に長谷さん
県優秀選手賞のトロフィーを手に長谷さん

長年にわたり和歌山県内の陸上界をけん引してきた和歌山市のベテランジャンパー、長谷利明さん(80)が、来年5月に京都市で開かれる「ワールドマスターズゲームズ」の走り高跳びへの出場を最後に、競技生活から引退する意向を固めた。これまでの跳躍フォーム・ベリーロールから背面跳びに転換して、現役最終舞台に挑む。長谷さんは「できるところまで挑戦し、表彰台に上がりたい」と意気込んでいる。

長谷さんは、このほど開かれた「第49回和歌山マスターズ陸上競技選手権大会」にも出場。走り高跳びで1㍍10㌢、砲丸投げで9㍍06㌢を記録し、両種目で県記録を樹立。県優秀選手賞男子に選ばれている。

長谷さんは中学生の頃に校内のマラソン大会で優勝し、市の駅伝に出場するなど走ることが得意。1964年、社会人となった18歳から本格的に陸上に取り組み、同年、県大会の走り高跳びで優勝。同年に開かれた第1回東京オリンピックの聖火ランナーに選出された。

その後、大分や福井での国体に出場し、2、3位に入賞。1㍍91㌢を記録するなど活躍した。県内においては、8年間にわたり無敗のまま26歳で第一線を引退した。

60歳の時、自宅近所を走る中学生との出会いを機に、紀三井寺公園陸上競技場へ足を運ぶようになり、旧友らと再会し、競技審判員や選手として再び陸上の世界へ。72歳の時、県内で開かれた全国大会の走り高跳びで1㍍35㌢を記録し、念願だった初の全国1位に輝いた。

「自分の記録は全国でどれくらいなのか知りたい」と現役を続け、現在は、強くなりたいと自発的に集まってきた中学生らの指導や育成にボランティアとして取り組みながら、自主練習にも励む。

さまざまな記録を持つレジェンドの長谷さんだが、3年前に踏み切り足である右膝の半月板にひびが入る大けがを負った。それでも「世界に挑戦したい」と、世界マスターズで上位を目指すため、踏み切りを逆の足に変更し、背面跳びで挑戦することを決意。生徒と共に、坂道トレーニングやマットを重ねて跳躍練習をするなど練習に励んでいる。「元気に競技を続けられるのは生徒のおかげ」と互いに切磋琢磨(せっさたくま)している。