元島民の願い肌で感じる 県内中学生が北方領土研修

北方領土問題の理解と関心を深める、令和8年度北方領土青少年等現地視察事業「第23回和歌山県民会議北方領土中学生現地研修」が、ことしも行われ、県内の中学生18人は1~3日、北海道根室市を訪れ、北方領土返還要求根室市民大会の参加や、地元中学生との交流、語り部講話、根室市長訪問などを通じ、あらためて北方領土が「日本固有の領土」であることを学んだ。研修の様子を3回にわたり紹介する。

同研修は、北方領土返還要求運動和歌山県民会議(堀龍雄会長)と、県北方領土問題教育者会議(森下英男会長)が2年に1度、現地研修を実施し、23回目。県立西浜中学校2、3年生9人と、湯浅町立湯浅中学校の1年生9人が参加した。
生徒たちは2日目、日本とロシアの交流拠点施設の北海道立北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ)特設会場で開かれた、北方領土返還要求根室市民大会に参加。
元島民や市民ら約600人と「根室市民の叫び」や、地元中学生の弁論発表などを聞き、北方墓参の再開や早期返還を願う島民らの強い気持ちを肌で感じた。
弁論発表では、曽祖父が元島民だったという根室市柏陵中学校の生徒が「無関心が一番の恐怖。今を生きる私たちができることは、無関心の殻を破り、声を上げ続けること」と、力強く呼びかけた。
メッセージ手交では、西浜中学校3年生の森脇美心都さんが、県民会議の堀会長から託されたメッセージを代読、同大会の大会長である根室市の石垣雅敏市長に伝え、鉢巻きをした参加者らは、拳を突き上げ「四島(しま)を還せ」と叫び一致団結して士気を高めた。森脇さんは「ここに来るまで北方領土のことを何も知らなかった。『島に帰りたい』と、みんな強い意志を持っている人ばかり。力になりたいと思った」と話した。
石垣市長を表敬訪問 地元中学生と交流も

大会後、一行は石垣市長を表敬訪問し、研修での学びや今後の決意を報告した。また、「ニ・ホ・ロ」を見学。パネルや写真を通し四島の歴史、漁業、ビザなし交流や洋上墓参などの現状を学んだ。
表敬訪問では、湯浅中学校1年生の谷野由珠さんが、湯浅の先人が根室の漁場を開拓した歴史にふれ、「和歌山とこの地は深い縁がある。大会に出席して研修の意義や責任を実感した。学んだことを積極的に一人でも多くの人に知ってもらうよう努めたい」とあいさつした。
富山県や根室市の中学生との交流会では「北方領土問題を知ってもらうために」をテーマに班別で議論。漫画やポスターによるアプローチ、授業での体験機会の設置に加え、食や乳搾り体験など「観光とともに歴史や現状を知る機会を提供するのが効果的」「現地で見て元島民の声を聞くことで理解が深まる」といった意見が出た。同校1年生の新川航さんは「ビザなし交流や洋上墓参を初めて知り驚いた。学んだことを身近な人から伝えていきたい」と話し、現地で直接話を聞いたことで問題への理解を高めていた。

