【特集】智弁和歌山が5年ぶり4度目の優勝 夏の甲子園

第108回全国高校野球選手権大会で、智弁和歌山が5年ぶり4度目となる夏の甲子園優勝を果たした。腰の手術から驚異的な回復をみせた主将・松本虎太郎のために結束を強め、投打がかみ合った盤石の戦いぶりで深紅の大優勝旗を和歌山に持ち帰った。初戦から歓喜の決勝戦まで、激闘の足跡を振り返る。

初戦の社(兵庫)戦は、先制するも終盤まで互いに譲らない緊張感あるロースコアの展開。先発の和気匠太が粘り強い投球を見せた。打線は好機で長友悠成が勝負強い一打を放ち、2―1で競り勝って勢いに乗った。
続く敦賀気比(福井)戦では、勝負どころでの集中力が光った。タイブレークに突入し、11回に川原一将の適時打で勝ち越し、山下晃平の適時打と黒川梨大郎の二塁打で加点。7―3で快勝し、ベスト8進出を決めた。
準々決勝の仙台育英(宮城)戦は、智弁の強力打線で圧倒した。荒井優聖が広角に打ち分けて安打と打点を量産。チーム全体で18安打11得点をたたき出し、優勝候補の一角を破って準決勝へ駒を進めた。
準決勝の横浜(神奈川)戦では、楠本龍生が右翼へ圧巻の勝ち越し3点本塁打をたたき込み、一気に主導権を握る。投げては先発・和気が8回1失点と圧倒的な投球を見せ、7―1で決勝進出を果たした。
8回劇的逆転で頂点へ 「最高の仲間と最高の舞台」
決勝の健大高崎(群馬)戦は2回裏に山下・長友の長打で2点を先制。今大会初先発の長井心海が5回1失点と好投するも、8回に逆転を許す苦しい展開に。しかし直後の8回裏、スタンドから魔曲「ジョックロック」が響き渡ると、代打で登場した松本が見事な送りバントを成功させ1死二、三塁。ここで川原が気迫の同点スクイズを決め、さらに相手の暴投で勝ち越し。最後は久葉が締めくくり、4―3の劇的な逆転劇で5年ぶり4度目の全国制覇を成し遂げた。
チームを日本一に導いた中谷仁監督は「智弁ファミリー皆で勝ち取った優勝」と喜んだ。また、県大会を「和歌山を代表するライバルたちに育てていただいた」と振り返り、「この優勝を機に常勝軍団・智弁和歌山をつくるという決意を新たにしている。また甲子園で勝ち進めるよう精進したい」と話した。松本主将は「秋に負けて悔しい思いがあり、甲子園でも苦しい試合が多かったが、最後の夏に優勝できて本当に良かった。最高の仲間と最高の舞台で優勝できてうれしい」と喜びを語った。



