宿泊型農施設オープン 遊休資産生かし関係人口創出へ

和歌山県の紀の川市を拠点に休耕田や空き家といった地域の遊休資産を活用した事業を行う紀の川流域カンパニー㈱(宇田篤弘代表取締役)は12日、同市北長田に滞在型農業体験・研修交流施設「HELLO FARM」をオープンした。
同社は紀ノ川農協や自動車、建設会社など異業種5事業者が連携し昨年設立。都市部との関係人口創出と持続可能な地域づくりを目指している。
新施設は、企業の旧事務所や空き家を改修した宿泊棟と研修・交流棟をはじめ、休耕田や耕作放棄地を再生した体験農園で構成。
宿泊棟の定員は11人(全4室)で、隣接する研修棟は30~35人収容のダイニングやワークショップスペースを備える。
今後はこの拠点を軸に、学び(Education)とエンタメ(Entertainment)を掛け合わせた「エデュテイメント」コンテンツを開発し、年間を通じて多様な品種品目を栽培できる環境を生かした体験農園のテーマパーク化を目指す。
さらに、高校生や大学生を対象とした社会課題探究型のフィールドワークやワークショップなどの教育研修事業も展開し、体験と対話を通じて自ら学びを深めるプログラムを提供する。
こうした一連の事業や宿泊運営を通じて交流人口を呼び込み、段階的な移住や定住の促進、さらには地域の人手不足解消につなげていきたいという。
施設の開業に合わせ、市は同日、持続可能な地域社会の形成に向けた官民連携を加速させるため、同社を地域再生法に基づく「地域再生推進法人」に指定。現地で認定式とお披露目会を開いた。
式典には関係者や地域住民らが出席。岸本健市長から宇田代表取締役に指定書が手渡された。
岸本市長は「官民連携の公的なパートナーとして素晴らしい紀の川市を一緒につくっていきたい。この場所が新しいコミュニティーを創出する拠点となってほしい」と期待を寄せた。
宇田代表取締役は「遠方から訪れた人が長期滞在し、研修や食事を通じて交流できる拠点ができた」と喜び、「人口減少が進む中、緩やかに持続できる状態をつくりたい。都市部との関係人口を増やし、若い人が楽しく地域に携われる仕組みにしたい」と意気込んでいる。



