薬の飲み忘れを解消 和大生が商品開発

和歌山大学経済学部柳ゼミの4年生チーム「Unifit(ユニフィット)」が高齢者向けの服薬支援製品を開発し、商品化された。11日に開かれる大学生による商品開発の大会「Sカレ(スチューデント・イノベーション・カレッジ)2025」総合優勝戦での優勝を目指し、メンバーたちは最終のPR活動に励んでいる。
メンバーはリーダーの古川恵莉子さん、河野晴華さん、清水舜介さん、畑地曜佑さん。同チームは昨年12月、全国32大学161チームが競う同大会の冬カンファレンスでテーマ別1位、総合3位を獲得した。
4人が開発したのは、高齢者の社会課題でもある「薬の飲み忘れ」を防ぐ仕組みを設けた卓上カレンダー「みえるんチェック」。飲んだ薬の殻をカレンダー付属の朝・昼・夜のボックスに入れ、一日分を飲み終えたら日付にシールを貼り、殻を捨てるという仕組み。多くの既存製品の中で、「殻」に着目した商品は無いという。
きっかけは清水さんの祖母が薬の飲み忘れから体調を崩したことだった。昨年5月から市内の老人クラブや地域の連絡所に通う高齢者、県薬剤師会の薬剤師らに聞き取りやアンケート調査を実施。服薬ミスの根本的な原因が「飲んだかどうか覚えていない」ことにあるとして、薬の殻に着目。「薬飲んだっけ?」の不安を解決し、服薬を「見える化」しようと考えた。
試作品で4カ月間の実証実験をし、改良を重ねた。チームで何度も衝突したが、「シンプルな形が一番使いやすい」との意見で一致し、完成させた。古川さんは「シールを貼ることで達成感があり、服薬を前向きに捉えられる。毎日のモチベーションの向上にもつながるのでは」と期待を込める。
冬カンファレンスでは、高齢者ら計約250人に聞き取りをした努力や着眼点などが評価された。
製品化には㈱明成孝橋美術(大阪市)が協力。ことし8月に実施した資金集めのクラウドファンディングで返礼品として商品を届け、全国から好評を得た。インフルエンサーとして活動する薬剤師にも直接交渉し、SNSでのPRも実現した。
清水さんは「1位獲得よりも、話を聞いてきた高齢者の方々に手渡して喜んでもらえたのが一番うれしい。課題解決の魅力も知った」、河野さんは「受け身の服薬ではなく、高齢者の自立につながる商品になれば」と話している。
11月1日には和歌山市の県薬剤師会館で行われる市民講座で商品が展示される。今後は同社の通販サイトで販売される予定。

