桐蔭が関西合唱コンクで金賞 中高15人のハーモニー

金賞に輝いた桐蔭高校音楽部の皆さんら(同校提供)
金賞に輝いた桐蔭高校音楽部の皆さんら(同校提供)

「第81回関西合唱コンクール」(関西合唱連盟主催)が9月22日に大阪府内で開かれ、和歌山県代表として高校部門に出場した和歌山市吹上の県立桐蔭高校音楽部が金賞に輝いた。同部の受賞は8年連続の快挙。確かな発声技術と豊かな表現力で実力を発揮した。

同部門(32人以下)の出場校のほとんどが20~30人規模の大人数で臨む中、同部は高校生7人、中学生8人の計15人という小編成で出場。普段から中高一貫で活動する強みを生かし、学年の垣根を越えてアドバイスを送り合いながら、「強く美しく温かい音楽」というモットーのもとで技術とチームワークを磨いてきた。

ステージで披露したのは、課題曲「私のいのちは」と自由曲「風のうた」の2曲。無伴奏(アカペラ)の課題曲は、言葉一つひとつの質感とピッチ(音高)の精度が厳しく問われる楽曲で、一人ひとりの声の響きを精緻に合わせる難度の高い演奏に挑んだ。

一方、ピアニストの細田紗希さんの伴奏とともに奏でた自由曲は、阪神・淡路大震災をきっかけに作詞された楽曲。被災した人々に加え、そこに生きる動物や植物にまで等しく吹き抜ける風の姿を通して、「傷を癒やし、全てを包み込む自然の慈愛」を描いた楽曲。部員たちは日々歌い込む歌詞の持つメッセージを深く読み込み、人数の少なさを感じさせない繊細かつスケールの大きなハーモニーをホール全体に響かせた。

同部は今期、9月の「NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)」近畿ブロック大会に高校・中学の両部門で出場し、高校部門で銀賞を受賞するなど、少人数ながら安定した実力を示し続けている。

部のかじを取る2年生の永井芽生部長は「歴代の先輩方がつないでくださった伝統を自分たちもつなぐことができてうれしい。何より自分たちの目指す音楽を届けられたことが最大の喜び」と語り、「先輩たちが教えてくれた歌の心を受け継ぎ、まだ見ぬ全国大会という新しい景色を目指したい」と目標を掲げる。

中学時代から同部に所属する1年生の井川愛菜副部長は「暑い夏をみんなで乗り越え、苦楽を共にして積み重ねてきた練習が形になった。聞いてくれた人に思いが届けられて良かった」と振り返った。

赴任して11年目となり、同部を関西常連校へと育て上げた顧問の有本利香教諭は「人数が少ない分、一人ひとりが担う責任が大きく、お互いを補い合うチームプレーが必要になる。ことしも生徒たちと共にこの素晴らしい景色を見ることができ、感謝の気持ちでいっぱい」と教え子たちをたたえ、「音楽は心に届けるもの。これからも生徒たちと共に、多くの人の心に届く歌声を追求していきたい」と笑顔で話した。