クビアカツヤカミキリ 県が緊急対策実施へ

梅や桃、桜などの内部を食い荒らす特定外来生物クビアカツヤカミキリの被害拡大を受け和歌山県は23日、国の交付金を活用した緊急対策の実施を発表した。産卵防止ネットの設置など新規の対策事業への支援を含む総事業費1億1804万6000円を見込んで国に申請中。12月県議会への予算案上程を待たず、知事専決処分で執行する予定で、来年のクビアカツヤカミキリの活動期までに、早期の対策推進を図る。
県内のクビアカツヤカミキリの被害は2019年度にかつらぎ町で初めて確認されて以来、本紙エリアの和歌山市、海南市、紀の川市、岩出市、紀美野町を含む19市町に拡大。被害本数はことし9月末時点で計1万3168本(農地1万1395本、非農地1773本)に上る。9月下旬には、県が日本一の生産量を誇る梅の主産地、みなべ町でも被害が見つかり、危機的状況となっている。
今回の緊急対策には、国が32億円の予備費使用を閣議決定して増額された関連予算を活用する。
農林水産部関連(事業費6120万円)では、市町村や農協を補助対象とする3事業を実施。被害予防のため0・3㍉角の産卵防止ネットを木に設置する取り組みの支援(事業費の4分の3)、被害調査の支援(同2分の1)を新設し、被害木に対する伐採や成虫の飛散防止ネットの設置支援(同4分の3)の予算額を拡充する。環境生活部関連(事業費5684万6000円)では、伐採や薬剤の散布、樹幹注入などの防除措置を実施する市町村への支援(事業費の4分の3)の他、県有施設の敷地内の木に対する防除措置を県直接事業として行う。
0・3㍉角の産卵防止ネットの有効性は、県果樹試験場を中心とする研究で確認され、25年度に発表したもの。産卵防止ネットの設置支援と環境生活部の市町村補助事業は、来年度の重点施策として実施予定だったものを前倒しで行う。
県農業生産局の塩路宏明局長は、クビアカツヤカミキリの成虫が活動しなくなる秋から翌年6月ごろまでの間に、ネットの設置などの予防・防除作業を進めてもらい、果樹産地への被害拡大を食い止めることが重要とし、緊急対策の活用を呼びかけた。



