幼保職員の団体接種へ 和歌山市ワクチン
和歌山市は、65歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの集団接種の予約を、6月3日午前9時から受け付ける。市民への接種の加速に向け、6月下旬には基礎疾患のある16~64歳への優先接種を開始する予定。接種対象外の15歳以下の子どもへの感染を防ぐため、保育士や幼稚園教諭を対象に団体接種を行う他、キャンセルが出た場合に接種を希望する人のリストを小中学校教員を対象に作成する。
尾花正啓市長が27日の定例記者会見で発表した。
高齢者向け集団接種は、イオンモール和歌山、北コミュニティセンター、南保健センターの3カ所で、6月12日~7月11日に定員3360人で実施。予約はウェブと電話(℡0570・092・055、午前9時~午後5時)で先着順に受け付ける。
市は、希望する時間帯の確認などがスムーズなウェブでの予約を勧めている。
基礎疾患のある16~64歳への優先接種は、市内の対象者が推定約2万3000人。28日~6月15日に申請を受け付け、接種券を随時発送し、同日~7月10日に予約の上、協力医療機関で個別に接種を受ける。
保育士や幼稚園教諭への団体接種は、市民間保育協会、市私立幼稚園協会、県認定こども園協会の協力を受け、実施の準備を進めている。
市立小中学校の教員については、体調不良などでワクチン接種にキャンセルが出た場合に接種を希望する人のリストを作成し、連絡できる体制を整える。
高齢者への優先接種は、1回目が6月中旬に、2回目が7月上~中旬にほぼ終了する見通し。寝たきりなどにより接種に出掛けるのが困難な高齢者約3800人については、在宅医療を受けている人は担当医による接種、介護サービスを受けている人はケアマネジャーによる接種調整を進め、どちらにも該当しない人は、民生委員と協力して接種の機会を確保していく。
クラスター(感染者集団)の発生防止のため、高齢者施設や障害者施設の従事者への優先接種も拡大する。
これまでは入所を伴う高齢者施設の従事者約5200人への接種を進め、27日現在で1351人(23%)となっている。今後は、居宅の高齢者施設、障害者施設などの従事者約8000人も優先接種の対象とする。
尾花市長は、全国と比較してスムーズに接種が進んでいる市の現状について、「非常に多くの医療機関に協力いただいたことが一番の要因で、感謝している」と述べた上で、「ワクチンの供給量で(接種のスピードが)左右されるのは本当に残念。十分な量を確保してもらえれば、週に3万人の接種体制は維持できる」とし、国に要望している供給量増に期待を示した。