接種後も感染予防を ワクチンで発症リスク減
和歌山県は12日、新型コロナウイルスワクチンの接種による効果について、第5波に入って1カ月間(7月11日~8月10日)の暫定的な分析結果を発表。感染者568人のうち2回接種済みの人は25人、人工呼吸器の装着が必要な重篤な人はおらず、感染や発症の減少効果がみられる一方、接種後に他者に感染させた事例があり、接種を終えても感染予防対策の継続が重要としている。
感染者568人のうちワクチンを1回接種済みが45人、未接種が498人。接種回数別の感染者の割合は、未接種が0・099%、1回接種が0・046%、2回接種が0・007%で、1回接種で54・8%、2回接種で92・9%の感染者減少となっている。
2回接種済みの25人のうち22人を分析したところ、7人で他者への感染がみられ、内訳は同居家族5人、同僚1人、友人1人だった。
抗体の獲得状況を把握するため、介護福祉施設に入居する高齢者90人と職員10人に行った調査では、90代の1人で抗体が確認されず、80~90代の9人は抗体値が低かった。抗体値は年齢が高くなると低い傾向がみられ、高齢者の免疫反応が弱いことが一因と考えられている。
政府が公表している12日時点の県内のワクチン接種率は1回目が49・30%、2回目が39・25%。
県福祉保健部の野㞍孝子技監は「第5波は第4波を上回る可能性が十分ある」と危機感を示した上で、感染者が増加すると基礎疾患のある人などリスクの高い人にも広がり、重症者が増え、医療の逼迫(ひっぱく)につながることから、ワクチンを積極的に接種することと、接種後も予防対策を続けることを改めて呼び掛けた。