廃油減で経費を削減 ろ過システム「エコレ」

和歌山市関戸の㈱お元気さん(小川理栄代表取締役)は劣化した油を回復させ、高品質をキープする食用油ろ過システム「エコレ」を販売しています。

同社企画本部長の小川達也さん(57)は、海が大好きで「子どもにきれいな海を残してあげたい。自然を汚したくない」との思いから、廃油を減らす同システムを飲食店やホテルなどに広めています。

同システムは㈱フォーオール(大阪市西区)が開発。劣化した油に食品添加物を混ぜ、フィルターでろ過することで品質を保持した油を再度使用できます。フィルターに残った劣化物は可燃ごみとして捨てられます。

初めはきれいな食用油も、加熱と食材からの水分などにより劣化が進み遊離脂肪酸が発生。同物質はさらに分子が重合し、食中毒の原因となる有害な発がん性物質を生成します。

白浜町のホテルシーモアでは同システムを導入。繁忙期で一日800~1000食を提供する同ホテルは月に一斗缶を30~35缶使用していましたが、導入後12缶ほどに減ったといいます。さらに、ろ過した油に新しい油を足し使用していくことで廃油が出ず、業者が引き取ることがなくなったそうです。副料理長の佐々木尚亨さん(35)は「5~6割の費用が削減できる。食用油の価格が値上がりしている中、メリットは大きい」と話します。

既存のフライヤーに同システムを導入でき、油の粘度も損われず、服に油の臭いもつきにくいそうです。「油の品質が安定していて何より一番大事な『食の安全』が保たれる」と佐々木さんは話します。

現在、和歌山市内ではホテルや飲食店などが取り入れており、小川さんは「導入するところが増え、海を守ることにつながっていけば」とアピールしています。

問い合わせは、お元気さん(フリーダイヤル0800・888・1135)。

食用油をろ過

食用油をろ過