さらなる感染拡大に懸念 新規感染1407人

和歌山県は2日、新型コロナウイルスに感染した和歌山市と御坊保健所管内の90代女性2人が亡くなり、新規感染者は過去2番目に多い1407人(前週火曜比254人増)だったと発表した。県内の死者は累計139人。新たなクラスター(感染者集団)は病院や高齢者施設などで6件が相次ぎ、さらなる感染拡大が懸念される。

亡くなった御坊管内の女性は、自宅で呼吸状態が悪くなり、救急搬送で入院していた。和歌山市の女性は、クラスターとなった特別養護老人ホームの入所者。2人とも新型コロナは間接死因だった。

新規感染者1407人の保健所管内別内訳は、和歌山市668人、海南109人、岩出113人、橋本103人、湯浅119人、御坊78人、田辺125人、新宮86人、県外6人。海南、湯浅、御坊、新宮は過去最多を更新した。

新規クラスターの場所と感染者数は、535例目が新宮管内の病院で入院患者14人と職員5人、536例目が和歌山市の病院で入院患者8人と職員3人、537例目は岩出管内の特別養護老人ホームで入居者4人と職員3人、538例目は同市の有料老人ホームで入居者4人と職員4人、539例目は同市のグループホームで入所者6人、540例目は橋本管内の社会福祉施設で利用者5人と職員1人だった。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比27・5人増の942・6人で、過去最多を更新。保健所管内別でも、2日続けて和歌山市を除く7管内が過去最多となった。

県内の感染者は累計6万8429人。入院者数は404人、重症者は県基準で51人、国基準の該当者は6人、肺炎患者は67人。病床数は6床増の539床となり、使用率は75・0%。自宅やホテルでの療養者は7168人。

県福祉保健部の野㞍孝子技監は、脱水によって症状が悪化する患者の事例が多く見られることから、水分の補給、適切なクーラーの利用を呼び掛けた。

救急搬送も増えているが、新型コロナ対応、一般医療とも逼迫(ひっぱく)しているため、発熱だけの症状などでの救急利用は控えるよう話した上で、「医療関係者は本当に頑張っていただいている」と述べ、県民に理解を求めた。

 

医療の逼迫について県民に理解を求めた野㞍技監