「みなし陽性」運用へ 入院調整対応所も

新型コロナウイルスの感染者急増による医療の逼迫(ひっぱく)を受け和歌山県は12日、陽性者の同居家族で症状が出た場合などに、検査なしで感染者として扱う「みなし陽性」の運用を始めた。

みなし陽性とするのは、有症状の同居家族と、クラスターとなった施設の利用者で検体採取が困難な人。ただし、入院が必要な患者や救急受診した患者、肺炎などの合併症がある患者、新型コロナ治療薬の処方が必要な患者は、必ず検査を実施する。

県はさらに、自宅や施設で療養している患者の症状が悪化し、入院調整がつかなかった場合に一時的に患者の対応をする「観察・処置ステーション」を、同日から15日までの盆期間中、和歌山市の和歌山労災病院内に設けた。

病床は10床で、医師1人、看護師2人、県職員1人を1チームとし、2交代制で24時間対応する。保健所が入院を必要と判断し、入院調整を待っている患者のための施設であり、直接、患者の受け付けは行わない。

今回は盆期間中の限定的な対応だが、県福祉保健部の野㞍孝子技監は「医療従事者の確保が最大の課題。確保できれば週末などに続けることも検討する」と話した。

「みなし陽性」について説明する野㞍技監

「みなし陽性」について説明する野㞍技監