拡大止まらず 新規感染1948人、8人死亡

和歌山県は12日、新型コロナウイルスの新規感染者が過去2番目に多い1948人(前週金曜比474人増)となり、50~100歳代の8人の死亡が確認されたと発表した。爆発的な感染拡大に歯止めがかかっておらず、新規クラスター(感染者集団)は病院や高齢者施設などで5件を認定した。

1948人の保健所管内別内訳は、和歌山市1039人、海南116人、岩出114人、橋本148人、湯浅66人、御坊98人、田辺288人、新宮79人。和歌山市は過去最多を更新し、初めて1000人を上回った。

亡くなったのは和歌山市の90代男性、90代女性、50代女性、60代男性、海南管内の70代男性、岩出管内の90代女性、60代女性、新宮管内の100歳代女性で、県内の死者は累計165人。在宅で発症し、感染の届け出があったが、保健所から本人や家族に連絡が取れず、救急搬送の末に死亡した事例があった。

新規クラスターの場所と感染者数は、574例目が和歌山市の病院で入院患者14人と職員3人、575例目が岩出管内の児童福祉施設で入所者5人と職員5人、576例目は湯浅管内の特別養護老人ホームで入所者11人と職員3人、ショートステイ利用者1人、577例目は同市の障害者支援施設で利用者11人と職員2人、578例目は同市の県庁企画総務課で職員5人。同課職員は不特定多数の県民と接する業務はなかった。

発表済みのクラスターでは、8日発表の和歌山市の病院で陽性者が過去最多の累計100人(入院患者68人、職員32人)に達した。県福祉保健部の野?孝子技監は、拡大の要因の一つに、発症に気付くのが遅かったことがあると指摘。病院や高齢者施設などの入院、入所者は基礎疾患による発熱なども多いが、見過ごすことなく新型コロナの早期検査を行うよう求めた。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比51・4人増の1324・8人となり、15日連続で過去最多を更新。保健所管内別でも和歌山市、橋本、御坊、田辺の4管内が過去最多となった。

県内の感染者は累計8万5362人。入院者数は378人、重症者は県基準で過去最多の83人、国基準の該当者は3人、肺炎患者は100人。病床使用率は70・0%。自宅やホテルでの療養者は1万1992人。