日本製鉄と花王が連携 SDGs推進へ
持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、和歌山市に工場がある、日本製鉄㈱関西製鉄所(和歌山地区)と花王㈱和歌山工場が連携し、季節の花と食品廃棄物で作った堆肥原料をセットにして障害者施設などに無料で贈る、SDGs協働活動「花・彩のある暮らしプロジェクト」を発足。同市下和佐の同工場和佐グループに花苗と堆肥原料のセット30鉢分を贈り、従業員らと共に植え付け作業を行った。
同プロジェクトは、同市内に生産拠点を有する工場同士が協働し、共にSDGsを推進していこうと始まった取り組み。
同製鉄所(和歌山地区)は、2016年から美化活動の一環として、育てた花苗を構内に定植する取り組みを実施。一方、同工場は昨年から社員食堂で出た食べ残しや非可食部分を再利用して堆肥原料を作り、その堆肥原料で育てた野菜を再び食堂で活用する循環型食品リサイクルを行っている。
同プロジェクトには、同製鉄所のグループの一つ㈱ブレイザーズスポーツクラブが運営する、バレーボールクラブチーム「堺ブレイザーズ」も参加。共に活動を推進する。
この日、同施設には、同製鉄所(和歌山地区)が用意したパンジーやビオラ、アリッサムと同工場が作った堆肥5㌔が贈られ、同製鉄所(和歌山地区)の寺浦和弘副所長や同工場の山口浩明工場長らが施設の従業員らと共に3・5号鉢へ定植。最後に堆肥原料を混ぜた土を丁寧にかけた。
花苗セットの提供先は、市内の障害者施設や高齢者施設、介護施設など。各施設で花を植える協働作業を通じて、コミュニケーションの活性化やメンタルヘルスケアにもつなげてもらえればという。
寺浦副所長は「花苗で彩りをつくって地域を明るくし、みんなで参加することで地域を活性させていきたい」と話し、山口工場長は「まずはきっかけとして2者から始め、いろいろな取り組みが広がれば和歌山市がどんどん元気になるのでは」と期待を寄せた。同プロジェクトは、来年5月をめどに本格的に活動する予定だという。