「鼻笛」演奏しませんか 柳さんが仲間募集中

鼻息で音を奏でる不思議な楽器「鼻笛」をご存じだろうか。世界中でさまざまな形のものが作られ、日本でもじわりと人気が高まっている。和歌山県紀美野町の柳泰弘さん(67)も愛好者の一人。10年前に出合い、オカリナと口笛を合体させたような素朴な音色と、聴く人を笑顔にする鼻笛に魅了された。木材や陶器など作られた素材によって音が違う鼻笛をコレクションし、いろんなジャンルのメロディーを演奏している。

鼻笛はブラジルの原住民が考案したともいわれ、上部にある二つの穴から鼻息を出し、下の穴から口に取り込み音を出す。音階は口を開く大きさで作り、耳で音を聞いて自分で音階を決めるところは、口笛に近いといわれている。

柳さんは楽器店でプラスチック製の鼻笛に出合い、「面白そうだし300円だったから、とりあえず買ってみた」という。不思議な音に驚き、他にないか調べ、木製、陶器のものを見つけ購入すると、それぞれ音質が違い、素朴な音色と奥の深い演奏技術に魅了され、どんどんハマっていった。

 

ギターの伴奏で鼻笛を吹く柳さん

 


40個コレクション ギターと共に演奏

柳さんは海南市や紀美野町などの小中学校で美術の教員、校長を務めてきた。
現在は紀美野町の野上中学校と、美里中学校の美術の非常勤講師として勤務。紀美野町内の小中学校のICT支援員としても活動している。

10年以上、吹奏学部の顧問をしていたことから音楽好きになり、民族楽器を収集、演奏する趣味もある。

現在、約40個の鼻笛を所有。それぞれ音の高さや、響きが違うため、一つずつ自分の鼻のサイズに合わせ、削ったり、顔に固定したりできるよう、ひもを付けてハンズフリーにするなど、アレンジしている。

鼻笛は2オクターブから3オクターブぐらいまで出すことができ、ギターを弾きながら鼻笛を演奏するのが柳さんのスタイル。「自分の声で出せない音域を出せ、英語の歌も演奏できるのが魅力」と話す。レパートリーはザ・スパイダースの「なんとなくなんとなく」、ビートルズの「ブラックバード」「ミッシェル」など5曲。人前で演奏すると「珍しい」と喜んでもらえるという。

柳さんはこれまで1人で鼻笛を楽しんできたが「皆で一緒に吹いたら、もっといろんな演奏ができるかもしれない」と鼻笛仲間を探している。「鼻歌の感覚でメロディーが作れる手軽な楽器。吹く人も見る人も笑顔にさせる鼻笛を一緒に楽しみませんか」とPR。特に高度な技術は必要なく、子どもからお年寄りまで、誰でも楽しめるという。

笛を鼻に押し当てて音を出す姿は、どこかユーモラス。そんな、ちょっと笑ってしまうような奇妙さも魅力の一つだそう。気になった方は始めてみてはいかが。

問い合わせは柳さん(℡090・5898・5758、メールcharango55@icloud.com)。