有吉佐和子自作の茶わんも 記念館で迎春展

和歌山市伝法橋南ノ丁の有吉記念館で27日、2023年の「癸卯」に関する迎春展示が始まった。1月末まで。

有吉の遺品の中にある、お正月と、えと「卯(う)」にちなんだ物を紹介。1階には有吉家で正月に「とそ」を飲む時に使っていた、そろいの酒器を展示している。娘の玉青(たまおさんが、母への思い出話をまとめたエッセー『身代わり』も紹介され、玉青さんは「三つ重ねられたお屠蘇(とそ)の盃を年の小さい者から順にとってゆく決まり」とつづっている。

2階の茶室に展示しているウサギの絵入りの茶わんは、有吉さんが自作したもの。10歳でお茶を習うことになった卯年の玉青さんのために、愛らしいウサギの絵を描き、側面には「うさぎうさぎなにみてはねる小青庵」と文字を書いたという。同エッセーにも「けっしてうまい絵ではないけれど、うさぎは妙に愛嬌(あいきょう)のある顔をしている」とエピソードとして語られている。

今回、この有吉さん自筆のウサギのイラストが、同館のロゴマークに決まった。

午前9時から午後5時まで。休館日は水曜日。年末年始は30日から1月4日まで休館。問い合わせは同館(℡073・488・9880)。

有吉家で正月に使っていた「とそ」の器

有吉家で正月に使っていた「とそ」の器