橋爪さんの漆作品 きのくに信金に

きのくに信用金庫(和歌山市本町)の新別館1階の応接ロビーに、海南市の漆芸家、橋爪靖雄さん(88)が制作した漆器パネル「四季」が設置され、3月27日にお披露目会が行われた。

同信用金庫別館の建て替えに伴い、県内外からの来客用の応接ロビーに和歌山の伝統工芸をPRできれるものがあればと、橋爪さんに依頼した。

橋爪さんはこれまでに海南市の浄国寺の漆天井や同市新庁舎落成記念屏風、和歌山市の和歌山城ホール開館記念漆パネルなど多数の作品を手掛けている。

今回制作した「四季」は、4枚のパネルを合わせた大きさ(内寸)は縦1・3㍍、横3・8㍍。約10カ月かけて完成させた。

橋爪さんは、4枚にするなら四季を表現しようと制作。向って右から春夏秋冬と移り変わり、四季の野草や星、月も描いた。

また、新たな挑戦として、黒を使わず漆と雲母(うんも)顔料を混ぜた「パステルカラー」と名前のついた塗りを初めて施した。

サクラ色など明るい色のベースに、北斗七星、はくちょう、カシオペア、オリオン座を描き、二葉葵、キイジョウロウホトトギス、ふきのとうなどの野草を蒔絵(まきえ)の技法で描いている。

お披露目会で、田谷節朗理事長から橋爪さんに記念品が贈られ、田谷理事長は「素晴らしい作品に仕上げてくださった。作品を通じて来客に和歌山を大いにPRしていきたい」と述べ、橋爪さんは「出来上がりを見ると迫力がある。色の重なりを見てもらい、地場産業をたくさんの人に知ってもらえたら」と喜んだ。

披露された漆器パネル「四季」と橋爪さん㊥

披露された漆器パネル「四季」と橋爪さん㊥