多文化知る機会に 宮前国際音楽祭盛況
「家から10分で体験できる国際交流」をテーマにした国際交流イベント「宮前国際音楽祭」が23日、和歌山市中島の慶哉寺(きょうさいじ)で開かれ、子どもから大人まで100人以上が集い、音楽や舞踊を楽しみながら多文化にふれ、理解を深めた。
県立星林高校3年の土井智司(さとし)さん(17)が代表を務める実行委員会と県国際交流センターとの共催。会場ではワークショップ「世界の布でしおりをつくろう」も開かれ、子どもたちが各国のカラフルな布を使い、世界に一つだけでのオリジナルしおり作りを楽しんでいた。
舞台では中国古典舞踊の李薇さん、北インド古典舞踊のナリニ・トシュニワルさん、和歌山朝鮮初中級学校民族器楽部、沖縄舞踊のかりゆし会、唄三線のぐりこゆうこ、エイサーの琉風会と多国籍なメンバーがそれぞれの音楽や舞踊を披露。
李さんはコロナ禍でイベント出演は5年ぶりだといい、「中国古典舞踊を広めていきたい」と観客らに小道具のハンカチを回す方法をレクチャーした。
ナリニさんは「音楽とダンスは世界共通の言葉。世界平和にもつながる」とあいさつ。足首に着けたたくさんの鈴の音色を響かせながら美しい舞を披露した。
結成3年目の民族器楽部の6人は楽器の紹介を交えながら、スタジオジブリのメドレーなどを演奏。沖縄舞踊と唄三線、エイサーが披露され、終盤には観客らもカチャーシーで参加するなど、会場は一つになって大盛り上がりだった。
土井さんは「コロナ禍でもできる国際交流を」と自ら企画して協力を呼びかけた経緯を振り返り、「こんなに人が集まってくれてうれしい。遠回りでも行動すれば実現できた。やって良かった」と笑顔。「イベントに興味を持って来てくれた人たちが他の国について知る一つのきっかけになれば」と期待し、「来年以降も続けていくのが目標」と話した。