交通安全リーダーに 高齢者の自転車大会

高齢者の自転車事故防止につなげようと、和歌山県警と県交通安全協会は19日、和歌山市中之島の県立体育館で「交通安全高齢者自転車大会」を開き、県内の4市1町(和歌山、岩出、紀の川、橋本、かつらぎ)の66~83歳の男女20人が参加した。

同大会は、急増する高齢者の死亡事故に歯止めをかけようと2011年にスタート。自転車月間に合わせて毎年5月に開かれており、10回目の今回はコロナ禍で4年ぶりの開催となった。

開会式で同協会の西川敏秋専務理事が「改めて自転車の乗り方や交通ルールを再確認してもらい、地域の交通安全リーダーとして事故の減少に努めてもらえれば」とあいさつ。

ことし4月に自転車を運転する全ての人にヘルメットの着用が努力義務化されたことを受け、同会から参加者全員に自転車用ヘルメットが贈られた。

講習会では、県警本部交通企画課安全教育係ひまわりがヘルメットの正しい着用方法をはじめ、「ブタはラベル」の語呂合わせで覚える「ブレーキ」、「タイヤの空気」、「反射材」、「ライト」、「ベル」といった点検方法も紹介。

学科試験の他、安全走行実技も行われ、参加者は一時停止や踏み切り、信号交差点、横断歩道、障害物を設置した模擬コースを使って、実践的に交通規則や自転車の正しい乗り方を再確認した。

安全走行テストでは、一人ひとりが実際に自転車に乗り、交差点や踏切通過などでルールに従った安全走行ができているかをチェック。学科試験の結果と合わせて上位10人が優秀賞に選ばれ、商品券が贈られた。

紀の川市貴志川町の土屋慶矩(よしのり)さん(83)は「今まで歩行者にはベルを鳴らさなあかんと思っていたけど、鳴らしたら駄目ということなど、知らんことばっかりやった。勉強になりました」と笑顔。「地域の集まりなどで広めていきたい」と話していた。

県警のデータによると、昨年中の人身交通事故の認知件数は1389件で、うち自転車事故は220件。死者3人、傷者212人だった。高齢者(65歳以上)の自転車の事故は19件で死者は1人。ことし(17日時点)はすでに高齢者が1人死亡する自転車事故が発生しているという。

安全走行テストに臨む参加者

安全走行テストに臨む参加者