20年の時経て 宮小でタイムカプセル開封
6月1日に創立150周年を迎える和歌山市立宮小学校(田中いずみ校長)で20日、20年前に130周年を記念して埋めたタイムカプセルの開封式があり、20~30代の卒業生らが思い出の品々を手に当時を懐かしんだ。
タイムカプセルは、当時の1~6年生の児童や保護者、教諭ら700世帯約900人が、20年後の自分や家族に書いた手紙を入れ、「創立150周年に再び元気に母校で集い合えれば」と思いを込め、2003年6月2日に埋めた。
対象者に自治会の回覧板を通じて開封式を案内し、約300人の卒業生や保護者、教諭が集まった。
開封式では当時のPTA会長、木下伸之さん(64)が「20年の時を経て開封します」と、横70㌢、縦50㌢、高さ50㌢ほどの“宝箱”を掘り起こした。
卒業生らは、「テレビ欄入ってる」「お母さんが当時の牛乳とかポテチの値段書いてる」「開けずに家でゆっくり読む」などと話し、「あの頃」にタイムスリップ。当時の新聞のテレビ欄やスーパーのチラシを同封している人などもいて、個性あふれる“宝物”を取り出し笑顔の花を咲かせた。
当時6年生だった井村来希さん(31)は『バスケの選手になっていますように』と書いてある。これを書いた年にバスケを始めて今でも続けている。懐かしい」と話し、「息子が結婚していますように」や、「病気せず元気でいますように」などと両親が書いた手紙を見て「親の手紙が面白い。今結婚して子どもがいるので同じ気持ちなのだなと思った」とにっこり。
3年生だった宮井咲季さん(28)は「お母さんの手紙に当時の私と妹の生活の様子も書いていたり、『大好きな家族です』とメッセージを添えた家族で撮ったプリクラが貼ってあったりで、それを見て泣いてしまいました。帰って見せてまた泣きます」と笑顔だった。
6年生の担任をしていた北出昌子さん(67)は「みんな大きくなった。しゃべり出すとあの頃のまま。当時は一人ひとりの個性があって大変だったが今でも先生と呼んでくれる。先生をやっていて良かった」、当時の校長、有本宗生さん(74)は「20年前の子どもたちとの約束を果たすことができて良かった」と晴れやかな表情で話した。
開封式に参加できなかった人の手紙は1年間同校で保管する。田中校長は「ぜひ取りに来てもらえたら」と呼びかけている。