警護対象、聴衆の安全確保を 県下署長会議

和歌山県警本部の幹部と県内12署の警察署長が集う「県下警察署長会議」が9日、和歌山市木ノ本の県警察学校で開かれ、竹田純久(よしひさ)公安委員長、山﨑洋平本部長をはじめ、署長ら計57人が出席した。

同会議は例年、1月と6月の年2回開かれており、コロナ禍以降はリモート形式や規模を縮小してきたが、今回、約3年半ぶりに通常規模での対面開催がかなった。

会議の冒頭、竹田公安委員長が県警の業務に関して「県民の視点に立った業務の推進」「厳正な規律の保持」の2点を述べ、「強いリーダーシップのもと職員が一丸となり、安全で安心な和歌山の実現に向けて、まい進していただきたい」とあいさつした。

山﨑本部長は、4月に同市雑賀崎漁港で発生した岸田首相襲撃事件についてふれ、警察庁が取りまとめた報告書に示された内容を真摯に受け止め、今後の警護の実施にあたっては主催者らと連携し、警護対象者・聴衆の安全確保に万全を期すよう訓示。「職員がこれまで以上に一丸となり、士気高く業務を推進して県民の期待と信頼に応えるため、より一層の成果を得ることを期待する」と呼びかけた。

その他、県内の治安情勢について、刑法犯認知件数が増加傾向に転じており、交通死亡事故も前年より増加するなど、予断を許さない状況が続いていると説明。

特に留意すべきこととして、「犯罪抑止総合対策の推進」▽「悪質・重要な犯罪の徹底検挙および暴力団などの壊滅に向けた組織犯罪対策の推進」▽「サイバー空間の脅威に対する総合対策の推進」▽「交通事故抑止総合対策の推進」▽「テロなど緊急事態対策の推進」▽「警察署長としての組織運営」――の6点を挙げた。

5月25日に発生した長野県の4人殺害事件にもふれ、「事件を教訓に、地域警察官が現場に臨場する際には、各種装備資機材を十分に活用させるなど、今一度、部下職員の受傷事故防止に万全を期されたい」と伝えた。

訓示する山﨑本部長

訓示する山﨑本部長