城下町で笑いの爆発を 桂文鹿さん落語会
上方落語の桂文鹿さんが、今月17日と8月20日に和歌山市内で落語会を開く。古典落語に加え、自ら生み出した130作を超える新作落語を手掛け、爆発力のある個性的な高座で知られる噺家(はなしか)が、城下町に笑いを届ける。
文鹿さんは奈良市出身、1994年に紀の川市出身の桂文福さんに入門。10年ほど前から毎年2月はインドの漁村に滞在し、1年分の新作落語を執筆。先輩と阪下の2人を主人公に、「人間の卑屈さ」をテーマとする作品は「さわやかシリーズ」と呼ばれ、これまでに137作を書き上げた。2014年に繁昌亭大賞創作賞、19年に同奨励賞を受賞。
7月17日午後1時半からは西山浄土宗の総持寺(梶取)での独演会。予定の演目は古典の「ん廻し」「胴乱の幸助」、さわやかシリーズ初期の人気作「紙相撲風景」。琉球民謡・三線演奏の「にいじゅん」さんも出演する。全て椅子席で木戸銭(入場料)2500円。「遊び感覚で、落語を知らない人も楽しめるネタが並んでいる」(文鹿さん)公演となっている。
8月20日午後1時半からは喫茶・カフェけまり(九番丁)での「九番丁寄席」。同じ五代目桂文枝一門で和歌山市を拠点としている桂枝曾丸さん、文鹿さんの弟子・雪鹿さんも出演する。三味線は、はやしや福さん。
けまりは、かつて行われていた地域寄席「紀の芽寄席」の会場で、文鹿さん、枝曾丸さんも若手時代に出演。文鹿さんは今後、定期的に同所で落語会を開きたい考えで、今回が1回目となる。
演目は、雪鹿さん「癪(しゃく)の合薬」、枝曾丸さん「着物はれもの」、文鹿さん「さわやか健康ランド」「瘤(こぶ)弁慶」。文鹿さんと枝曾丸さんによる対談「ちゃん好(文鹿さんの前名)と小茶久(枝曾丸さんの前名)」もある。
自身の高座について文鹿さんは「お手本みたいな落語ではなく、破壊力というか、落語ってこんなやり方もあるんやと期待して見に来てもらえたら」と話す。
また、劇場やホールではない場所で落語会をする際は、舞台づくりにもこだわるという文鹿さん。昭和レトロのたたずまいの喫茶店が、生のおはやしが響く寄席にどう変わるのかも楽しみなところ。「お客さんが来たらびっくりするようにしたい」と文鹿さんは意気込む。
全椅子席で木戸銭2500円。「さわやかおみくじ」の対象公演で、「大大凶」が出たら木戸銭は1000円オフ。ハズレでも、落語にちなんだ特製おみくじの文言が楽しめる。
落語会の予約、問い合わせは味わい企画(℡080・3119・5448、メール)。