新たな観光、防災拠点 海南サクアスオープン
和歌山県海南市下津町小南に2日、同市初の道の駅「海南サクアス」がグランドオープンした。地元の農産物や海産物、特産品がそろうだけでなく、非常用電源や災害用の簡易トイレなども備え、災害時には緊急の避難所として活用される。
海南サクアスは市や国が24億7000万円をかけて整備。基本構想から約5年かけて完成した。
施設内にはミカンをはじめとするフルーツや棕櫚(シュロ)製品、紀州漆器などの地場産品などがずらりと並ぶ「産直マルシェ」や、地元漁師から直送される鮮魚の販売や食事が楽しめる「魚盛水産」、フルーツを使ったスイーツ店、イートインスペースなどがある。
駐車場は、大型車20台、普通車127台を止めることができる。子どもトイレやベビールームの設置、芝生広場には滑り台もあり、家族連れにうれしい機能も備わっている。
また、備蓄倉庫や非常用電源、防災トイレなどさまざまな防災機能を併せ持ち、大規模災害時には地域の活動拠点となる。
オープンに先立って行われた式典には、神出政巳市長や国土交通省の長谷川朋弘大臣官房審議官、岸本周平知事、二階俊博衆議院議員ら関係者約120人が出席。神出市長は、「平時はにぎわいの拠点、災害時には安心安全を届ける拠点となる。サクアスをきっかけに特産品だけでなく、長保寺や鈴木屋敷など、歴史や文化資源の魅力を知ってもらいたい。行政、出品者、従業員の『オール海南』で取り組み、地域全体の活性化につながれば」とあいさつし、テープカットや万歳三唱で開駅を祝った。
式典に参加した下津第二中学校3年の土田つぐみさん(14)は「道の駅ができてとても楽しみ。下津の蔵出しみかんや梅を県外の人に知ってもらえたら」と言い、海南第三中学校3年の中山新之輔さん(15)は「友達と遊びに来たい。海南は漁港も多く、魚もおいしいので海鮮をぜひ食べて」とアピールしていた。