応急救護など 高松地区で自主防災避難訓練

和歌山市の高松地区防災会(石井太郎会長)が主催する自主防災避難訓練が23日、地区の避難場所となっている高松小学校であり、住民約500人が応急救護訓練などで防災力を高めた。

同防災会は2000年から毎年、地域の特性や実情に即した訓練を実施。継続的な実施、多様な機関との連携した取り組みなどが評価され、23年の防災功労者防災担当大臣表彰を受けている。

この日の訓練は、早朝に同市を震源とするマグニチュード8・0の内陸型地震が発生し、津波の影響はないが、地区内で甚大な被害と負傷者が出たとの想定で行われた。

訓練に先立ち、尾花正啓市長は「地震だけでなく、気象災害も激甚化している。さまざまな訓練をすることで、自らの命、かけがえのない家族の命を守っていただきたい」とあいさつ。参加者は三つのグループに分かれ、消火訓練、消防用ホースの延長体験などを実践。自動体外式除細動器(AED)の使い方や、毛布を使った担架の搬送法を教わった。

このうち、体育館で行われた応急処置の訓練では、市消防局中消防署の職員が、三角巾を使った出血法や、骨折時の固定法を紹介し「きつく縛ることがポイント」などとアドバイス。住民同士で腕や足に巻くなどし、熱心に取り組んでいた。

参加した女性(70)は「結び方一つで、これほど頑丈になるとは知らなかった。いざというときのために勉強になりました」と災害への意識を新たにし、石井会長は「非常時は、避難してきた人同士で助け合わなければいけない。普段から顔を合わせておくことが重要。訓練を重ねることで、高い防災意識を継続していきたい」と話していた。

三角巾を使った止血法を教わる住民

三角巾を使った止血法を教わる住民