優しいツッコミで友達守って すみたに講演

和歌山市の兄弟お笑いコンビ「すみたに」が子どもたちにいじめ防止を呼びかける講演会が21日、同市砂山南の砂山小学校(小杉栄樹校長)で開かれた。主催は同校と、砂山地区人権委員会、砂山公民館。4年生から6年生の児童140人と保護者、地域住民が参加し、いじめについて考えを深めた。

すみたにがいじめ問題をテーマに話すきっかけとなったのは、2人が出演するラジオ番組。「息子がいじめに遭って、学校に行っていない」という母親からの相談があり、会いに行くなど交流してきたが、解決の力になることができなかった。その悔しさから、お笑いといじめ防止を融合した取り組みを模索していたところ、小杉校長らに出会い、今回の講演会が実現した。

会の冒頭で小杉校長は「2人の話を聞いて優しく、明るく楽しい学校にしていってほしい。きょうは楽しみながら、いじめについて考えてください」とあいさつ。

すみたには「いじめを見て見ぬふりをするのはやめよう」をテーマに講演した。

兄のまさとしさん(47)、弟のよしひろさん(44)は「いじめをなくすためには相手の立場になって考え、相手のつらさを想像すること、気付くことが大事」と話し、漫才のツッコミ「なんでやねん」を例に挙げ、「まずは気付くことがツッコミ。相手の失敗を補い助ける優しいツッコミをすると友達を守ることができる」と説明。「もし誰かがオナラをしてしまったとき、『くっさ~』というツッコミだけだと相手を傷つけるだけになるが、その後に『でもオナラは誰でもするもんな』と付け加えると救われる。相手の立場を想像することを心がけるといじめはなくなる」と伝えた。

いじめについて例題を出し、どうすればよかったのかを問いかけると、児童らは積極的に挙手し答えていた。

2人は「もしいじめられる原因が自分にあっても、いじめられていい人はいない。もし自分がいじめられていたら自分は悪くないと言い聞かせ、助けを求めよう」と強く訴えた。

6年生の笹原菜奈美さん(12)は「すごくためになって楽しい授業だった」、伊澤慧さん(11)は「面白かった。これからは人が失敗しても優しいツッコミでフォローしたいと思う」と話していた。

 

楽しくいじめ防止について話す「すみたに」