維新市議2人処分 県議への離党勧告巡り

日本維新の会和歌山県総支部が、5日付で所属の和歌山市議、志賀弘明氏を除名処分、新古祐子氏を離党勧告処分としていたことが分かった。2人は4月の市議選で当選した1期目で、10月に総支部が行った林隆一県議への離党勧告処分を不当とし、井上英孝代表ら総支部役員5人の解任請求書を提出していたが、総支部は、解任請求の理由は事実誤認で、役員に対する誹謗中傷などとして、2人の処分に踏み切った。

総支部は、党が「身を切る改革」で所属議員に求めた議員報酬の一部寄付をしていなかったとして、林県議に離党勧告を行い、林氏は処分は無効と主張しながらも離党。志賀、新古両氏は、林氏が処分に反論した記者会見に同席し、11月15日付で役員の解任請求を行っていた。

志賀、新古両氏ヘの処分の通知で総支部は、解任請求理由が林氏の主張と同一で、全て事実誤認や規約規則の独自解釈の羅列だとし、「役員会として検討に値しない」と全面的に退けた上で、解任請求書の提出を処分の主要な理由の一つに挙げている。

志賀、新古両氏は処分を受け入れ、今後は無所属で議員活動を続ける見通し。

維新は4月の統一地方選で党勢を拡大し、衆院和歌山1区補選では県内初の国政議席を獲得したが、総支部の内紛で古参の林氏と新人の志賀、新古両氏の3人が相次いで党を離れる事態となった。混乱は尾を引くことも予想され、次期衆院選などへの影響は必至とみられる。