長女の玉青さん 有吉佐和子所蔵の書籍寄贈

和歌山市出身の小説家、有吉佐和子が、執筆に使用した資料や親交のあった各作家のサイン入り書など3892冊が、長女の有吉玉青(たまお)さんから市に寄贈されることになり、12日市役所で寄贈式が行われた。

2005年に約1600冊の寄贈があり、今回で合計約5500冊の蔵書となる。

寄贈される本は、歴史や文化、社会や環境問題など多岐にわたり、深く調べ問題を広く提起し続けたことが分かる。

川端康成のサインが入った『富士の初雪』や、井上靖の『後白河院』の他、野球が好きだったという有吉が読んでいた野球関連本や、玉青さんを妊娠中に読んでいたと思われる赤ちゃんに関する本などがある。

寄贈式では、玉青さんから尾花市長へ目録が、市長から感謝状が手渡された。玉青さんは「本は利用してもらってこそだと思う。興味や研究など皆さまの活用いただけたら」と話し、尾花市長は「いろいろな作品があり貴重な資料。熱心に調べられていることがよく分かる。多くの市民に見ていただきたい」と話した。

寄贈の蔵書は、市民図書庵2階の有吉佐和子文庫で20日から公開される。

寄贈する書籍を手に有吉玉青さん㊧と尾花市長

寄贈する書籍を手に有吉玉青さん㊧と尾花市長