英国女王の品格学ぶ 多賀幹子さんが講演

女性の地位向上や青少年支援などに取り組む奉仕団体「国際ソロプチミスト和歌山紀ノ川」(山名洋子会長)は2月28日、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で「第14回チャリティー講演会&バザー」を開いた。

隔年で行ってきた取り組みで、コロナ禍による中止を経て、4年ぶりの開催。バザーでは、同団体と交流のある店など協賛の4店がネックレスなどのアクセサリー、かばん、ハンカチ、菓子、本などを、同団体が衣類や洗剤、ジュースなど会員の持ち寄り品、衣類のリユース品を販売した。

来場者は「これはお得」「これ、きれいね」などと口にしながら、多彩な品々に手を伸ばし、買い求めていた。

講演会では、英国王室などをテーマに取材活動をしているジャーナリスト、ノンフィクション作家の多賀幹子さんが「英国女王から学ぶ品格」をテーマに話し、約250人が聴き入った。

多賀さんは、2022年に死去した女王エリザベス2世の人生について紹介。父ジョージ6世の急逝により25歳で即位が決まった際は、若く、幼い2人の子育ての最中であることなどから一部政治家に反対論が出る中、女王を幼い頃から知るチャーチル首相(当時)が反対派を説得したという。

女王が各国の首脳からも「よきアドバイスを頂いた」などと尊敬をもって語られていたこと、国連での演説では、リーダーについて、努力や才能、洞察力、熱意などを持っている人を見抜き、その人の持ち味を生かし、皆で働いていけるように結集できる人であるとの考えを示し、感銘を与えたことなども語った。

女王は即位前の21歳の時、「私の人生が長くても短くても、生涯、公務にわが身をささげることを皆さんの前で誓います」と国民への奉仕を宣言。多賀さんは、その言葉通り、英国史上最長の在位70年の間、自身に関するスキャンダルはなく、死去の2日前にトラス首相(同)を任命するなど、生涯現役で公務を果たした生涯を「奇跡に近い業績」とたたえた。

今回のバザー、講演会の収益は、同団体の本年度クラブテーマ「子どもたちと子育てママを笑顔に」に沿って、女性や子どもの支援とともに、能登半島地震の被災者支援に役立てられる。

山名会長は「たくさんの人に来場していただき、ありがたい。女性や子ども、能登の方々の支援に協力できれば」と話していた。

 

講演した多賀さん