紀の川市で被災地支援の勉強会

被災地支援についての勉強会が10日、 紀の川市貴志川町長原の貴志川生涯学習センターで開かれ、 わかやまNPOセンターの土橋一晃さん (32) が 「私が見た東日本大震災」 をテーマに被災地で活動する注意点などを紹介した。 土橋さんは 「一つの言動が被災者を傷つけることもあります。 被災者に寄り添う支援を」 と呼び掛けた。

市メントル貴志川支部が主催し、 会員ら30人が集まった。 土橋さんは6年前から全国の大災害の被災地でボランティアセンター運営などに携わってきた。この日も台風12号で甚大な被害が出た新宮市での救援活動を終えて駆け付けた。

土橋さんは東日本大震災で一面がれきになった被災地の写真を見せて 「これを見てどう思いますか」 と会場に問い掛け、 「私たちは 『がれき』 とは言いません。 被災者にとっては 『帰る家』 なんです。 地名で呼んであげてください」 と訴えた。 また、 震災発生から半年が過ぎた現在のボランティア活動について 「祭りの運営やもちつき大会などを開いて、 生きがいを再び取り戻す活動も広がっています」 と話した。

新宮市の復旧支援については 「水に漬かった畳を上げる作業や家財道具を家の外に出すなど多くの依頼があるが、 待ってもらっている状態。 人の力が必要です」。 救援物資については 「ライフラインが徐々に復旧し、 水の置き場所に困るなど必要な物も変化しています。 冬を見越してジャンバーや毛布も送られているが、 今はTシャツやタオルの方がまだまだ不足しています」と述べた。

参加した同市貴志川町丸栖の矢田千佳子さん (62) は 「個人が意識を持って 『被災地で何が必要とされているか』 を考えることが必要だと感じました」 と話していた。

「この写真はがれきではなく、帰る家です」 と土橋さん

「この写真はがれきではなく、帰る家です」 と土橋さん