甘くて大きなニンジン 布引で収穫の最盛期

和歌山市の布引、毛見の砂地地帯を中心に生産しているニンジンが収穫の最盛期を迎えている。

同地区のニンジンは、県内の農産物で初めて農林水産省から地理的表示(GI)に登録され、品質が高く評価されている「わかやま布引だいこん」の畑で育成。約40件の農家が2月に種をまき、6月から7月中旬までニンジンを出荷している。

柔らかい土壌と豊富な地下水で育った同地区のニンジンは、大きく、色鮮やかで甘いのが特徴。

南ブロック人参協議会の辻本泰文会長(69)の1㌶ある畑では、週5日、一日約3㌧を出荷している。収穫には掘り起こしと、葉の切り落としを自動で行う収穫機を使う。

辻本さんは「25年ほど前は手作業だったが、比べものにならないほど作業の時間が短縮され、楽になった」という。

この日は妻のさとみさん(66)と2人で午後4時から作業を始め、約10分で175㌔のペースで収穫が進められていた。

ことしは天候が良く、例年より10日ほど早く出荷できるサイズに育ったという。辻本さんは「大きくおいしく立派に育った。生で食べると柿に似た甘さがある」とその味に自信を見せる。さとみさんは「千切りにして天ぷらのかき揚げするのもお薦め」と話していた。

同地区のニンジンはJAわかやま農産物直売所愛菜てまりっこなどで販売している他、京阪神に出荷される。

ニンジンの収穫を終えると、9月から「わかやま布引だいこん」の種をまき、11月から収穫が始まる。

 

ニンジンを収穫する辻本さん夫妻
ニンジンを収穫する辻本さん夫妻