フードスペシャリスト育成へ 8月から講座
専門知識のある食品加工技術者を育成し、和歌山県の食品産業を盛り上げようと、わかやまフードスペシャリスト育成研究会(北谷英市代表)は8月から特別セミナーを開く。同研究会は、県内で高品質の農産物が採れる一方、加工業者が少ないため、他県で加工されることが多い状況を克服し、地域ならではの商品開発ができる技術者の育成を目指し、参加者を募集している。
北谷さんは、和歌山市楠本で主に菓子・パンの原材料、加工機械、パッケージなどを取り扱う㈱キタタニの会長で、日本食品科学工業会の講師を務める。「地域を盛り上げるような新商品開発のため、加工技術の向上に貢献したい」と今月、同研究会を設立した。傷のある農産物がB級品や廃棄になる現状を危惧。高い加工技術で付加価値のある商品作りを目指す。
講義では、食品の基礎分野から、冷凍、殺菌、保存といったさまざまな加工技術、衛生や安全面など全般を国内の著名な専門家から学ぶことができる。後半で実際に商品開発を行い、完成した加工品を国内の有名なパティシエや料理家らが品評する。
コーディネーターは、農学博士で国内で初めて子どもでも飲めるニンジンジュースの開発に携わった、女子栄養大学客員教授の稲熊隆博さん。稲熊さんは「和歌山には素晴らしい食品があるのに、十分にその価値が生かされた商品がない。基本に返って学び、これぞ和歌山と言える商品を作ってもらいたい」と話している。
対象は食品産業に従事している人や、食品加工を学び直したい人、食品の分野でものづくりに興味のある人で、職業、経験の有無は問わない。
講義の期間は8月21日から来年6月19日までの水曜日で、月におよそ1回の合計12日間。一つ2時間の講義で、一日に2~3つある。
受講料は全部で20万円。県外の展示会参加などに伴う移動費が別途必要。
受講会場は和歌山市西高松の和歌山大学松下会館。県内外の展示会や見学会もある。
参加希望者は7月14日までに電話もしくはフォームのメールから連絡する。意向確認後、自宅に送付された申し込み用紙一式を同研究会(和歌山市広瀬通丁1の30)に7月31日午後5時必着で郵送する。
問い合わせ、受講申し込みは同研究会の北谷さん(℡080・9945・6455、メールwakayama.food.sre@gmail.com)。