30年経て初の開花 酒井さん宅のトックリラン

花を眺める酒井芳三さん㊧と純子さん㊨
花を眺める酒井芳三さん㊧と純子さん㊨

和歌山市東高松の酒井芳三さん(89)の自宅玄関先で、数十年に一度しか開花しないといわれるトックリランが開花した。

トックリランは、メキシコ原産のリュウゼツラン科の植物で、水分や養分を蓄える根元の膨らみが酒器の徳利(とっくり)に見えることから名が付いた。県植物公園緑花センター(岩出市東坂本)によると、県内での開花は珍しいという。

酒井さんが30年ほど前に知人から譲り受けた時は、高さが30㌢ほどだった。成長に合わせこれまでに2度鉢を変えたが、昨年8月、成長に耐えられなくなり鉢が割れた。今月1日、最上部から芽が生え始め、一日数㌢ずつ成長。10日に小さな粒のつぼみがつき始め、17日、薄黄色の花が咲いていると気付いた。芽の生え始めた1日から、20日ほどで約120㌢伸び、高さは190㌢ほどある。

酒井さんは「1日からぐんぐん伸び始めて驚いた。いつ、どんな花が咲くのかご近所とよく話をして気になっていたのでうれしい」、妻の純子さん(87)は「心配事や不運なことが多かったので、花が咲いて明るいことがあったらいい。前向きに生きていきたい」と話した。