アゼリア賞に枝曾丸さん 和歌山JC文化事業

表彰状と盾を手に桂枝曾丸さん㊧と井川惇理事長
表彰状と盾を手に桂枝曾丸さん㊧と井川惇理事長

和歌山青年会議所(JC、井川惇理事長)は、和歌山の名を国内外に高め、地域の文化振興に寄与している個人、団体をたたえる「アゼリア賞」の第25回受賞者に、和歌山市出身、在住の落語家、桂枝曾丸さん(55)を選んだ。表彰式が21日、同市の和歌山城ホールで行われた。

和歌山青年会議所は、地域文化の発展に寄与することを願い、1987年に「和歌山青年会議所文化振興基金」を設立。アゼリア賞は、和歌山市の花であるツツジの名を冠し、和歌山を芸術性あふれるまちにすることを目的に、文化活動を通じて和歌山の名を全国、海外へと高め、地域文化振興に尽力し、将来を嘱望される個人、団体を育成、援助するために授与している。

今回の受賞者、枝曾丸さんは、87年に桂小文枝(後の五代目桂文枝)に入門し、98年に「二代目枝曾丸」を襲名。上方落語の古典にとどまらず、厚かましくも愛らしい「和歌山のおばちゃん」になり切る和歌山弁落語で親しまれ、和歌山の偉人を題材にした落語、創作人情ばなしも数多く制作。和歌山放送ラジオのレギュラー番組はインターネット配信を通じて全国にリスナーを持ち、和歌山弁落語の録音は全国、世界へと配信されており、和歌山から国内外に笑いを発信している。

さらに、2004年からは法務省が主唱する社会を明るくする運動で「社会を明るくする大使」を務め、20年以上にわたり更生保護活動に貢献。人権に関する講演会、防災士の資格を生かした楽しくて分かりやすい防災講演会なども全国で手掛け、幅広く活動している。

表彰式は、和歌山青年会議所の例会の席上で行われ、山中敏生会員開発委員会委員長が枝曾丸さんの経歴を紹介し、井川理事長が枝曾丸さんに表彰状と盾を贈り、たたえた。

枝曾丸さんは受賞のスピーチで、落語家を続けていくことに壁を感じる中、家庭の事情で和歌山市に帰ることになり、1年だけ頑張るつもりで始めた和歌山弁落語が人気を博し、地元を題材にした落語で、和歌山で活動する地盤をつくれたことなどを紹介。「落語を通してふるさとを発見し、地域に育てられてきた。私より若い、これからの和歌山を支えていく青年会議所の皆さんに選んでいただき、励みになる。これからも、和歌山の文化や自然、気質に自信を持ってもらえるように、掘り起こす活動をしていきたい」と語った。

和歌山青年会議所は今後、枝曾丸さんを支援する受賞記念イベントを行う。