明るい絵画並ぶ カンボジア養護施設の展示

独創的な絵画が並ぶ
独創的な絵画が並ぶ

和歌山県海南市出身のメアス博子さん(50)が代表を務めるカンボジアの児童養護施設「スナーダイ・クマエ」の絵画展が23日、和歌山市本町のフォルテワジマ4階小ホールで始まった。25日まで。後援は和歌山アゼリアロータリークラブ。

同施設では身寄りのない子ども、虐待から保護された子どもらが暮らし、母子家庭への支援も行っている。現在は小学生から高校生までの16人が共同生活を送り学校に通う中、高校卒業後の自立を目指し、独自の教育プログラムを行っており、その一つとして絵画教室を設けている。国から同施設への補助金は一切なく、運営は大半を支援に頼り、近年は独自事業の魚の養殖や、日本からのボランティアツアーの受け入れ、Tシャツ・絵はがきの販売などで運営費を捻出している。

絵画展は2009年に東京、神戸でスタート。2011年から和歌山が加わり、これまで全国各地で57回開催。

今回は全員で80匹の生き物を描いた大型作品をはじめ、子ども会会長を務めるピセイさん(18)が真っ赤に染まる空と木を優しいタッチで表現した「夕焼け」、抽象的に色を組み合わせるのが好きなクンティアさん(16)の「虹」、「春の景色」など色鮮やかでほのぼのした作品が並ぶ。

また、親指に付いた絵の具を、スタンプのように紙に押し、楽しみながら作ったものなど独創的な子どもの感性があふれている。

同ロータリークラブの西出隆一会長は「子どもたちが一生懸命に描いた絵を見て、児童養護施設のことをより多くの人に知ってもらいたい」と願い、メアスさんは「遠い国に明るい絵を描く子どもたちがいることを知って、身近にいる子どもに温かい目を向けてほしい」と話している。

会場では、絵やポストカード、Tシャツなどのグッズ販売もあり、収益金は全て同施設の運営費に充てられる。

午前10時から午後5時まで。

問い合わせはフォルテワジマ(℡073・488・1900)。