EV新型電池量産へ パナソニックエナジーが工場新装
パナソニック エナジー㈱(大阪府守口市、只信一生社長執行役員)は、和歌山県紀の川市打田の和歌山工場をリニューアルし、電気自動車(EV)に搭載する最新型の大容量リチウムイオン電池「4680(ヨンロクハチマル)」を量産する同社唯一の工場となった。市場拡大が続く北米を主軸にEV普及への大きな貢献が期待される。
和歌山工場は1991年4月、同社の前身に当たる松下電池工業㈱のアルカリ蓄電池を作る工場として設立。敷地面積は9万9177平方㍍で2022年4月にパナソニック エナジーが発足して以降、リチウムイオン電池のふたなどの部品を製造してきた。 同月にリニューアルに向けた工事を開始。入り口は熊野古道をイメージするなど建物全体をリノベーションするとともに、同社としては初めて、従来に比べて大型の直径46㍉、高さ80㍉の4680の量産設備を整えた。費用は約700億円。従業員数は約400人を見込む。
9日のリニューアルオープンセレモニーには、パナソニックグループの関係者や岸本周平知事、紀の川市の岸本健市長ら約40人が出席。テープカットで祝った。
パナソニック ホールディングス㈱の楠見雄規代表取締役社長執行役員は、創業者で和歌山市出身の松下幸之助が追い求めた理想の社会の達成に向けた思いを引き継いでいることを紹介。「次の世代の人たちが豊かな暮らしを行うために避けて通れないのが地球環境問題の解決」とし、新型電池の開発によるEVの普及などにより「持続可能な社会の構築に貢献する」と話した。